プログラマだけでやっていくという働き方

以下では、**「プログラマだけでやっていく」**というテーマを、現代的な開発手法(スクラム)やSaaS企業での働き方などを踏まえつつまとめました。昔ながらのSIerスタイルではなく、今のエンジニア像を意識して書いています。


プログラマだけでやっていくのは本当に難しいのか?

■はじめに

「プログラマだけで食べていくのは厳しい」と言われることがよくありました。しかし、スクラムやアジャイルが広がる現代の開発現場では、プログラマがコードに集中するのが当たり前になりつつあります。本記事では、昔ながらのSIer的な働き方との違いや、SaaS企業を中心としたエンジニア像について解説しながら、プログラマとしてやっていく意味や可能性を探ります。


1. そもそも「プログラマだけ」という定義は曖昧

1-1. スクラムの視点

  • スクラムなどのアジャイル手法では、メンバー全員が協力しながら開発を進めます。
  • 「プログラマがコーディングだけを担当して他は見ない」というよりは、必要に応じてテスターやデザイナー、デプロイ作業まで軽く関わるのが一般的です。
  • それでも、コードをメインに書く人がいるのは確かで、スクラムチーム内で“プログラマ寄りのエンジニア”として活躍することは普通に行われています。

1-2. 昔と今の定義のズレ

  • 20年前からのSIer文化では、「要件定義~設計~実装~テスト」という明確なフェーズ分業があり、「プログラマは設計書どおりにコードを書く人」というイメージが強かったかもしれません。
  • 現代的なSaaSやWebサービスの開発では、「プログラマだけ」を切り離す定義はあまり意識されず、チームでアジャイルに機能を追加・改善するのが主流になっています。

2. SaaS企業など、現代的なエンジニア像を狙おう

2-1. SaaS企業でのプログラマ

  • クラウド環境を使い、継続的にサービスをアップデートするスタイルが主流です。
  • スクラムやカンバンでタスク管理し、デザイナー・プロダクトマネージャーとの連携を重視しながら、プログラマが機能を実装・レビューします。
  • 技術選定やアーキテクチャに意見しやすい文化も多く、「ただ言われたとおりコードを書く」よりも主体的に開発できる現場が多いです。

2-2. 技術に明るい環境でのメリット

  • 最新のフレームワークやクラウドサービスを試せる
    • AWSやGCP、コンテナ技術、Microservicesアーキテクチャなど、モダンな領域を経験しやすい
  • プログラマとしてのスキルアップが早い
    • 同僚とのペアプロやコードレビューが活発に行われ、品質向上と成長の循環が起きやすい
  • 需要の高い領域の経験が積める
    • WebサービスやSaaS製品の開発経験は、フリーランス市場でも評価されやすく、単価向上に繋がる可能性大

3. ITの世界は20年前からの文化が混在している

3-1. 要件定義~設計~実装という言葉が古い?

  • 大規模SIer案件では今でも「要件定義」「基本設計」「詳細設計」といったフェーズ分割を行います。
  • 一方、スクラムや継続デリバリーが当たり前のWeb開発では、要件定義という言葉自体をあまり使わないケースも多く、短いスプリントごとに仕様を調整します。
  • 「プログラマだけでやっていく」という発想はウォーターフォール前提であるため、現代的なアジャイル開発とは感覚が異なることが多いです。

3-2. いまだにSIer方式が残る理由

  • 日本の大企業が依頼する大規模システムでは、昔ながらのプロセス管理が根強く、外注先のエンジニアは「下流工程=プログラマ」として配属されることが頻繁にあります。
  • しかし、スタートアップ・SaaS・Web系企業は「エンジニアが仕様策定から実装まで関わる」スタイルが主流です。「プログラマだけ」も、実際には設計やコミュニケーションが混ざると考えたほうがいいでしょう。

4. 結論:プログラマだけで生きていけるのか?

4-1. 現代のスクラム前提なら、むしろプログラマ専任は普通

  • 「プログラマが上流工程に一切関わらない」わけではありませんが、基本的にはコードを書く役割を中心にチームに貢献するのが一般的です。
  • むしろウォーターフォール的に「設計書が全部できてからコーディングする」のではなく、チームで機能単位にスプリントを回すのが標準になりつつあります。

4-2. キャリア・収益面も問題なし

  • モダンなWeb開発の世界であれば、プログラマだけでも需要が高く、一定以上の報酬を得られる可能性があります。
  • ただし、単価をさらに伸ばしたい場合は、最新ツールの深い知識、OSSへの貢献、英語コミュニケーションなどで差別化を図る必要があるでしょう。

5. まとめ

  • プログラマだけでやっていけるのか?」は、現代的なスクラム・SaaS開発を念頭に置けばむし標準的といえます。
  • 「要件定義~設計~実装~テスト」の工程分業は古く、多くのスタートアップやWebサービス企業ではアジャイル/スクラムが当たり前になりつつあります。
  • フリーランスで稼ぎたいなら、モダンな開発手法&最新技術を使う“プログラマ専任”として活躍するのがおすすめです。
  • 20年前の概念が混在するIT業界ですが、「要件定義~実装が分断される」という発想自体が古いため、コンサルや経営に興味がなければ「プログラマだけ」で十分需要があります。

最終的な結論:プログラマだけで生きていくことは、現代的な開発現場を選べば十分に可能です。
むしろそちらのほうが、技術力を伸ばしながら報酬も上げていける現代的なキャリアパスと言えます。