フリーランスエンジニアの仕事タイプ
フリーランスエンジニアとして案件を受注する際の契約形態は、主に「準委任」と「受託開発(請負)」の2つに分類されます。以下では、それぞれの特徴とメリット・デメリットを解説します。
1. 準委任
1-1. 特徴
稼働時間に応じて報酬が支払われる形態です。業務完了に対する法的な義務は負いません。
案件獲得方法は2通りあります:
- エージェント経由での参画
- 直接契約(クライアントと直接交渉)
SESもこの契約形態で、多くの場合クライアント企業への常駐(またはリモート)となります。
1-2. メリット
- 安定収入を得やすいです:稼働時間に応じた報酬計算で、収入の見通しが立てやすいです
- エージェント経由なら営業活動不要で案件に参画可能です
1-3. デメリット
- 自由度が低いです:クライアントの勤務ルールに従う必要があります
- エージェント経由の場合はマージンが発生します(ただし営業負担がない分、許容できるケースも多いです)
- 長期稼働が基本で、案件の切り替えがしにくいです
2. 受託開発(請負)
2-1. 特徴
成果物の完成に対して報酬が支払われます。システムやアプリケーションの開発を一括で請け負います。
営業活動が必須となり、案件獲得のために自ら顧客を開拓・提案する必要があります。
2-2. メリット
- 高額報酬を得られる可能性があります:成果物に応じた対価設定が可能です
- 上流工程の経験を積めます:要件定義から設計、開発まで一貫して担当できます
- 自分の裁量が大きいです:開発手法や技術選定の自由度が高いです
2-3. デメリット
- 営業力が求められます:継続的な案件獲得のため、技術力以外のスキルも必要です
- 成果物の定義が非常に難しく、認識の違いによるトラブルが多発します:クライアントとの合意が不十分な場合、大きな損失リスクとなります
- 見積もりの精度が重要です:適切な価格設定ができないと赤字になる可能性があります
3. まとめ:自分に合った契約形態を選ぶ
契約形態の選択は以下のポイントで判断するとよいでしょう:
準委任向きな方:
- 安定志向で、チーム開発経験を積みたい場合です
- 営業活動に時間を割きたくない場合(エージェント活用)です
- 大手企業のプロジェクトで実務経験を積みたい場合です
受託開発向きな方:
- より高い報酬を目指したい場合です
- 営業活動も含めて事業として取り組みたい場合です
- プロジェクト全体をコントロールしたい場合です
どちらの形態でも、契約内容や仕様範囲、支払条件などは必ず確認しましょう。また、経験に応じて準委任から受託にステップアップしたり、両方を組み合わせるなど、柔軟なキャリアプランを検討することもできます。
フリーランスとして成功するためには、自分のスキルレベルや志向、生活スタイルに合わせて適切な契約形態を選択することが重要です。特に開始時は、準委任でエージェントを活用しながら実務経験を積み、その後状況に応じて受託開発にチャレンジするというステップを踏むケースも多いでしょう。
筆者の場合、中小企業を中心に受託を何度かチャレンジしましたが、エンジニアとして準委任の単価が上がること前提で考えると、準委任の方がコスト対が良いという結果に収まりました。