フリーランスエンジニアが案件を見つける方法

~エージェント・知り合いの紹介・直営業、それぞれの本音~

以下では、フリーランスエンジニアが案件を見つける方法について、より本音ベースのコメントを盛り込みました。エージェントの裏事情や、紹介・直営業のリスクとメリットを率直に書いています。ぜひご参考にしてください。

1. エージェントを活用する

1-1. エージェントの仕組み

  • ITフリーランスに特化したエージェントは、複数の企業からの案件をまとめて保有し、スキルに合った案件を紹介してくれるサービスです。
  • 営業が苦手な方や、すぐに複数の選択肢を探したい方に向いています。

1-2. 本音:エージェント側の優先順位に要注意

  1. あなたを最優先してくれるとは限らない
    エージェントは、常に大勢のフリーランスと企業案件をマッチングさせています。あなた以外にも、似たスキルを持つエンジニアはたくさんいるため、必ずしも優先して案件を回してくれるわけではありません。
  2. コミュニケーションを怠ると後回しにされがち
    定期的に連絡を取り、希望条件やスキルアップの状況をきちんと伝えないと、新着の良い案件を後回しにされる可能性があります。担当コンサルタントに「この人ならすぐに決まる」と思ってもらうことが大切です。
  3. 高望みしすぎると決まりにくい
    「リモート100%、時給1万円以上、週3日しか働きたくない」といった厳しい条件を提示すると、契約がまとまりにくい案件になり、エージェントとしても後回しにされやすいです。

※弊社もエージェント業務を行っており、上記のようなことはありませんので、ご安心ください。

1-3. リスクと心がけ

  • エージェントの選び方
    適切に選ばないと、希望条件に合わない案件ばかり押しつけられることもあります。面談の際に「どんな企業との取引が多いのか」「フォロー体制はどうか」などをしっかり確認しましょう。
  • 自分の強みと条件をバランス良く提示する
    スキルや得意分野をアピールしつつ、ある程度の柔軟さを見せることが、エージェントとの良好な関係につながります。

2. 知り合いのエンジニアや前職からの紹介

2-1. メリットと実情

  • ベストな案件獲得ルートになる場合が多い
    互いのスキルや仕事ぶりをすでに知っているため、スムーズかつ安心して契約に進みやすいです。手数料もなく、報酬単価が高いことが多いのも魅力です。
  • 紹介が同業種に偏る傾向
    前職や知り合いがいる会社は、あなたがいた業種や技術領域と同じジャンルの案件が多くなりがちです。異なる分野やまったく新しい技術に挑戦したい場合は、やや制限を感じるかもしれません。

2-2. 人脈拡大のヒント

  • 勉強会やコミュニティでの積極参加
    「知り合いを増やす」といっても、ただ参加するだけでなく、LT(ライトニングトーク)をしたり、技術的な質問や意見交換を積極的に行うことが大切です。
  • SNSでの情報発信
    自分の得意技術やプロジェクト経験を発信しておくと、相手が「こんな案件、あの人に合いそう」と思い出してくれる可能性が高まります。

3. 直接営業(直営業)の場合

3-1. 特徴

  • 自分で企業にアプローチし、案件を獲得する方法です。エージェントのマージンがかからないため、条件を最大化しやすい反面、営業活動にかける時間やスキルが必要になります。
  • 営業経験がないエンジニアにはおすすめしにくい部分も正直あります。特に初期は営業活動に時間を割いてしまうと稼働が減り、収入が途絶えるリスクも考慮しなければなりません。

3-2. 営業資料を最低限用意する

  • ポートフォリオやスキルシート
    得意技術、実績、プロジェクト事例などをまとめた資料は必須です。企業に「なぜあなたに依頼するのか」を納得してもらえるだけの内容を用意しましょう。
  • 法人化の検討
    大手企業と直接契約する際、個人事業主よりも法人であるほうが信用度が高いと見られるケースがあります。特に大規模プロジェクトでは、法人格があったほうが稟議が通りやすいこともあります。

3-3. 営業スキルを磨くための視点

  • 初期は厳しいが、3年かけて商談力を身につける
    エンジニアは技術に集中しがちですが、長期的に見ると営業力があるかどうかで10年後の案件獲得に大きな差が出ます。少しずつでもプレゼンや交渉術を学ぶと、直営業が格段にやりやすくなるでしょう。
    営業職と違って自分を売るだけなので自己理解があれば格段に難易度は下がります。
  • 稼働が空くリスクを把握しながら行動
    直営業に力を注ぐ期間は収入が減る可能性があるので、貯蓄やサブ案件などである程度リスクヘッジしておくことが大切です。

4. 案件獲得時の単価目安と将来的な戦略

4-1. 単価の大小

  1. エージェント
    • 報酬はマージン分だけ低くなる傾向。ただし、営業不要で安定的に案件を得やすいです。
  2. 紹介
    • マージンが不要なのでエージェントよりも単価が高く設定しやすいです。
  3. 直営業
    • 交渉次第では責任範囲を大きくしてさらに高額化できますが、営業力や信頼構築に時間がかかります。

4-2. キャリア積み上げ後の変化

  • 10年・15年キャリアを積むと、エージェント経由の大手案件のほうが単価が高くなる場合も
    プライム超大手企業のコンサルや基盤設計のような案件は、エージェントが独占しているケースがあり、そこでは超高単価が提示されることがあります。
  • 経験年月に応じた案件獲得戦略を
    ​経験年月とスキルセットによって最適な解は異なります。
    状況に合わせて戦略を変えていくことが重要です。

5. まとめ

  1. エージェントの活用
    • 営業が苦手な方や、案件数を効率的に確保したい場合に向いています。
    • ただし、エージェントはあなたを最優先してくれるとは限らず、コミュニケーションや希望条件のバランスを取らないと後回しにされがちです。
  2. 前職や知り合いのエンジニアからの紹介
    • やり取りがスムーズで、エージェント手数料がかからないぶん単価が高くなることが多いです。
    • 業種や技術領域が偏る可能性があるので、勉強会などでの人脈づくりが欠かせません。
  3. 直営業(直接営業)
    • 自身で営業資料を整え、法人化も視野に入れながら活動すれば、高い報酬を狙いやすい方法です。
    • 初期はエンジニアとしての仕事と営業を両立させるのが難しく、ある程度の期間と努力が必要です。長期的には商談スキルが大きな武器になります。

フリーランスエンジニアとして案件を安定的に取るためには、エージェント・紹介・直営業の3つを状況やキャリアに合わせて組み合わせることが大切です。 初期は紹介や直営業で報酬を上げやすくし、キャリアが進んだらエージェントを再度活用して大手企業の高単価案件に挑戦するなど、柔軟に方針を切り替えながらキャリアアップを目指しましょう。