フリーランスエンジニア 独立メリット・デメリット
~独立を始める前に知っておきたい利点とリスク~
■はじめに
近年、IT業界ではフリーランスエンジニアという働き方が広く認知され、高い専門性や自由なライフスタイルを求めて独立を考える人が増えています。一方で、収入の不安定さや将来的なキャリア形成に悩むケースも多く、独立前にメリット・デメリットをしっかり理解しておくことが大切です。
本記事では、ITエンジニアに向けて、フリーランスとして独立する際に考慮すべきメリット・デメリットを分かりやすく整理しました。今後のキャリアを主体的にデザインする上での参考にしていただければ幸いです。
1. 独立のメリット
1-1. 収入アップのチャンス
会社員の場合、給与テーブルや昇給制度が固定されているため、飛躍的な収入アップは期待しにくいことが多いでしょう。しかし、フリーランスエンジニアであれば、自分のスキルと交渉力次第で単価を大幅に上げることが可能です。
- 専門性を深めるほど単価交渉がしやすい
たとえば、特定のフレームワークに強い、インフラやクラウド周りに詳しいなど、尖った分野を持っていると、相場より高い報酬が期待できます。 - 直接クライアントと契約できればマージンを抑えられる
エージェントを介さずに直営業で案件を取ると、報酬率が高まりやすいです。ただし営業が苦手な人には、エージェント活用も選択肢になります。
1-2. プロジェクト選択の自由
会社勤務だと、上司や人事の判断で配属が決まることが多いですが、フリーランスになれば自分で案件を選べるのが大きな利点です。
- 興味ある技術領域に集中しやすい
AI・機械学習、クラウドアーキテクチャ、Webフロントエンドなど、自分が伸ばしたい技術に注力しやすい環境を選べます。 - 働き方の自由度
完全在宅や週○日稼働など、案件によっては柔軟な働き方が可能です。ワークライフバランスを重視したいエンジニアにとっては大きなメリットでしょう。
2. 独立のデメリット
2-1. 収入の不安定さ
フリーランスは月給のような安定収入が保証されるわけではなく、契約が途切れれば収入はゼロになる可能性もあります。新型コロナ禍など突発的な景気変動で案件が減るリスクも存在します。
2-2. 契約トラブルや未払いリスク
フリーランスは企業から見ると外部委託です。契約書の不備や支払いサイトの長期化などでトラブルが起きるケースも少なくありません。
- 基本契約書と個別契約書を必ず読む
フリーランスをはじめたばかりの方は契約書を読まないことが多いですが、非常に危険です。
必ず契約書は確認するようにしましょう。 - 未払いリスク
中小企業と契約するときなど、信頼性を確認しておくことが必要です。
筆者もかつて、零細エージェントで不払いを経験しており、電話で怒鳴り込んだなんていう笑えない経験があります。
※上記、筆者には支払われましたが、支払われなかった方も多数いらっしゃいました。
2-3. キャリアを主体的にデザインしないと30代後半で行き詰まる可能性も
会社員であれば、社内研修や人事異動を通じて自然とキャリアが積み上がる場合があります。しかし、フリーランスには自分を育成する仕組みがないため、意識的にキャリア形成に取り組まないと、特定のスキルしか伸ばせず将来の選択肢が狭まる危険性があります。
- 企業からするとフリーランスを育成する意味がない
企業が研修やOJTを用意してくれるわけではないため、独学・コミュニティ参加など主体的な行動が必須。現場の仕事だけではスキルに不足感が生まれます。 - リーダー経験やアーキテクト選定に携わりにくい
SESや業務委託ではリーダーポジションは自社社員が担うケースが多く、リーダー/アーキテクトとして活躍する余地が少ないことが多いです。
もし、そのようなポジションを打診されたら自分から取りに行きましょう
フリーランスエンジニアの道は、不安定と隣り合わせながらも、収入アップや技術力の最大活用など大きな可能性を秘めています。ぜひ「自分にはどんな働き方が合うか」をじっくり考え、独立の一歩を踏み出してみてください。